うつ 認知機能

認知機能リハビリは様々なこころの病に応用できます!!【うつ病治療編】

投稿日:2019年7月24日 更新日:

認知機能リハビリは、様々な精神疾患のアプローチに効果があります

今回はその中でうつ病に焦点を充ててお話したいと思います。

 


まずはこちらをご覧ください。

 

これからのうつ病薬物療法としては、症状の改善(寛解)だけでなく、社会機能の改善、つまりは「リカバリー」を目指していくことが重要となります。

うつ病治療においてリカバリーに到達するためには、新たな作用機序の抗うつ薬の登場はもちろん期待される点ではありますが、現実的な路線として、現状の薬物療法をどのように活かしていくか、例えば、薬物療法と「非薬物療法」の相互増強療法のような考え方を取り入れていくことも改めて必要になるかもしれません。

今後、様々な角度からうつ病治療の未来が開けることを期待したいと思います。
(一般社団法人うつ病センター(JDC)理事長 樋口 輝彦 先生「うつ病薬物療法の到達点と未来を考える」より引用参考)

※一般公開はされていないようです→こちら

 

 

上記の樋口先生がおっしゃっているなかの「非薬物療法」のひとつが認知機能リハビリです。


うつ病が回復した後も、前の生活がなかなかできないことに苦しんでいる方は、認知機能の回復に取り組んでみませんか?

 

その一例を拙いながらも紹介していきたいと思います。

 

 

目次

 

 

うつ病に伴う認知機能の低下

うつ病は脳のエネルギーが低下、もしくはエネルギーがうまく働かない病気です。

 

うつ病の状態になると、脳の基礎機能である認知機能もうまく働かなくなります。

 

認知機能の低下が続いてしまい、生活が元に戻らずつらい思いをしている方はたくさんいらっしゃいます。

 

この状態の頭の中を図にしてみると、

このような感じです。

 

これらがどのような特徴として現れるかは以下の様になります。

うつ病にみられる認知機能低下の特徴

・集中が続かない

・何を言われたか覚えていない

・どのようにやっていたか思い出せない

・動きが遅い

・質問されてもすぐに答えられない

・自分にはできないと考えてしまう

・取りくむのを避ける

・優先順位がわからない

・見通しが立てられない

 

 

これらを具体的な生活の場面で挙げてみますと

・子供のPTAの書類が片付けられない。

・得意だった料理の手順がおもいだせない。

・そうじを最後までやり続けられなくて、すぐ横になりたくなる。

・全部任せたくなる。

などの例があげられます。

 

 

これらは、すべて認知機能の低下によるものです。

患者さんも周囲の方も、「やる気がでない」から出来ないとよく誤解していることがあります。

主治医も意欲低下が続いていると誤解してしまっていることもあります。

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なかなか生活がもどらないのは認知機能が回復していないためです

 

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認知機能の低下を治す方法

樋口先生もおっしゃっているように、薬物治療のみでは、元の生活に戻ることは難しいです。

社会機能の回復には認知機能の改善が必要です。

現時点では認知機能の低下に対して有効な治療方法は、認知機能リハビリのみです。

 

本来は統合失調症の認知機能障害に対して開発された認知機能のリハビリプログラムですが、うつ病の認知機能障害にも有効であることがわかってきました。

これを簡単なフロー図にしてみますと

上記のような図になります。

やってみたい方がいらっしゃれば、主治医と相談の上、生活の中で困っている症状に合わせてプログラムを選択しましょう。

 

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うつ病の回復段階に合わせた治療方法を選択しよう

図にあるように、うつ病の治療にはいくつかのステップ(回復段階)があります。それぞれの特徴を書いていきますね。

 

(急性期)

うつ病もしくはうつ状態になったら、まず脳のエネルギーを回復させなければなりません。

この段階では、休養とお薬が効果的です。

 

不安や焦り、自分を責めてしまう、いらいらする、眠れないなどの症状があり、何かをしようとしてもうまくできません。

まずは休みましょう。

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まず休養とお薬で疲れをとることに専念しましょう。

 

(回復期)

少しずつ脳のエネルギーが回復してくると、何かできそうな気がしてきます。

この段階は、取り組んでも疲れやすい状態なので、以前ほど何かを続けることは難しいです。

 

脳が回復し始めても、体が元に戻っていない段階なので、疲れたら休むことを心がけながら、生活リズムを整えていきましょう。

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認知行動療法やメタ認知トレーニングを始めるといい時期はこの段階です。

 

認知行動療法やメタ認知トレーニングは、自分の考え方のクセを見直す治療方法です。

うまくいかないときに自分を責める考え方のクセが強いと、エネルギーの回復がうまくいきません。

 

この段階が長引いている方は、お薬の治療と組み合わせて取り組むことをおすすめします。

 

(寛解期)

生活リズムが整ってくると、疲れが出るペースが徐々に減ってきます。

(全く疲れを感じることがなくなるわけではありません)

この状態が2~3週間続いたら、ちょっと良くなってきたかなと思うようにしましょう。

 

しかし、まだまだ元の生活にもどることができないことがあります。

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この段階では、まだ認知機能の低下が残っていますので、認知機能リハビリを始めてみましょう。

現在では、就労支援センターやリワークプログラムなどに認知機能リハビリが取り入れられています。

 

うつ病からの回復が長引いてしまい、なかなか元の生活にもどることができない、社会復帰ができないなどの原因は認知機能の低下です。

 

認知機能リハビリで認知機能をきたえなおしましょう。

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うつ病の病み上がりの段階は脳のエネルギーは不安定なので、自分のペースと相談しながらやりましょう。

 

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今日のポイント

・うつ病の治療に認知機能リハビリが有効

・他の精神疾患にも認知機能リハビリは有効

・就労支援の場においても、認知機能リハビリが導入されている

 

今回の記事はいかかでしたでしょうか?

 

私自身も調べを進めると、自分が想像している以上に認知機能リハビリが導入されている現場が増えています。

今後認知機能に焦点を充てた働きかけは、精神科領域だけではなく、一般の高齢者や教育場面などにも行われていくと思います。

これからも、認知機能リハビリに関する情報を書いていきたいと思いますので、よろしければまたブログを読んでいただけると励みになります(^▽^)

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